先を見通すこと

大河ドラマ「西郷どん」を毎週見ています。今夜は、西郷が、蜂起をはやる有馬新七たちを命がけで止めるシーンを見て、ぐっときました。

 

有馬にも大久保にも西郷にも「正義」があり、「正しさ」がある。そんな中で、西郷が伝えた言葉には、先を読み、先を見通す優れた洞察力が込められていました。浪士たちが蜂起すれば幕府が倒れるかもしれない、しかし国内で争乱が続けば、外国を利することにしかならない。外国の脅威に立ち向かうために、態勢を整えてチャンスを作り出し、日本を速やかに一つにならなければいけない。そんな高く広く遠くを見通す力が、「おいに命を預けてくいやい」という器の大きさとともに、有馬たちを納得させたのだと思いました。

 

現場を深く知ること、遠く広く見通すこと、常識による思考停止を乗り越えて物事を考え続けること、大きな判断で人を動かすには、そういったたゆまぬ努力を繰り返していく必要があります。そして、その努力の根源となるのが、絶えず学び続ける姿勢なのだと思います。

内なるエネルギー

これをやりたい、これをしなければ。。何かにきちんと向き合って取り組むためには、内なるエネルギーが必要です。それは欲望だったり、危機感だったりして、毎朝コーヒーを飲むと湧き上がってくるような気持ちだったりします。

 

でもそれは、ウルトラマンのカラータイマーのように、3分とは言いませんが、ずっと続けて燃焼させられるものではありません。ウルトラマンが宇宙に戻ってエネルギーを貯めるように、僕にもエネルギーを貯める何かが必要です。

 

その何かは、休憩だったり睡眠だったりリラックスできる時間だったりという物理的なもの以上に、他人からの承認だったり励ましだったりという「与えられるもの」以上に、自分自身で定めるものが大きな役割を果たしていると思います。

 

理想、夢、目標、神、プリンシプル、つまり「なぜ自分は生きるのか」「自分は何のために生きているのか」という問いに対する答えを持つなり、気づくなりすることで、内なるエネルギーを貯められるのではないでしょうか。それは、人との関わりや本からの学び、そして自分自身を見つめることで現れるものだと思います。

一度も会ったことのない部下

日本と外国に拠点がある外資系企業に勤めていると、一度も会ったことがない部下ができることがあります。

 

Skypeで話すので彼の顔はいつも見ていますが、実際に会ったことはない、という意味です。

 

そんな彼が大きなミスをしました。彼からSkypeチャットで「申し訳ありません」との報告が。どうやって注意、指導すべきなのか、、、。まずはSkypeで話そうと思い、コールしましたが、それまで在籍中だった表示がコールしたとたんに離席中に変わり、通じません。「僕から注意されるのが嫌で離席を装ったのかな?」「逃げた?」「ミスをおかしてショックを受けた?」頭の中には疑心暗鬼のワードがぐるぐると出てきました。

 

しょうがない、、、チャットで返すことにしました。「君が一所懸命取り組んでいることは知っている。だからこそ、ミスの原因を突き止めて改善して欲しい。少し話せる?」、そんな要素を盛り込んで送りました。

 

しばらくして・・・「改善します。いま落ち着いて話せるようになりました」との返信。Skypeをつないであれこれ話しました。僕も、彼も、安心しました。

 

インターネットで世界中がつながり、いくら便利になったと言っても、会えない環境は、ふとしたことで疑心暗鬼になったり心のエネルギーを使ったりするものだな、と改めて実感しました。まるで直に会っているかのようにコミュニケーションが取れたら。そんな時代が来るのでしょうか。

買いかぶってはいけません。

自分で大切にしていた原理原則を、つい忘れてしまう、というより思考を勝手に書き換えてしまうことがあります。
 
きょうは「会社の責任が問われる」などと言ってしまいましたが、実は、それは自分が忌み嫌っていた考え方でした。昔、上司から「そんなことをしたら会社の責任が問われるだろ。何を考えているんだ!」と言われ、「会社の責任云々のために働いているんじゃない、もっと社会のために働いているんだ!表面的な見方しかできないのか、このバカは」と憤ったことがあり、「こんな考え方はしないように気をつけよう」と誓ったのに。
 
それを忘れて、気がつけば、その上司と同じことを部下に言ってしまった自分。大いに恥じるべき瞬間でした。自分が大切にしていること、踏み外せないこと、それは血となり肉となるようにきちんと反芻しなければいけません。自分を買いかぶりすぎてはいけません。